リハビリテーション部
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リハビリテーションとは
障害があっても「その人らしく」人生を送るための治療・訓練
リハビリテーション(rehabilitation)の語源は、ラテン語で「re(再び・戻す)」+
「habilis(適した・ふさわしい)」+「ation(にすること)」で、「再び適した状態
にすること」を意味しています。つまり、単なる機能回復だけでなく、「人間らしく
生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われる全て
の活動がリハビリテーションと呼ばれます。
リハビリテーションには、理学療法・作業療法・言語聴覚療法があります。理学療法
では主に「移動する」ための訓練を、作業療法は、「生活(作業)する」ための訓練
を、言語聴覚療法は、「コミュニケーションや食べる」ための訓練を行います。
チームスタッフ
様々な職種が1人1人の患者様に関わり、チームとして退院後の生活のために
アプローチいたします。しかし一番大切なのは、ご本人の参加・努力とご家族
のサポートです。
医師(Dr)
看護師(Ns)
理学療法士(PT)
作業療法士(OT)
言語聴覚士(ST)
臨床心理士(CP)
医療ソーシャルワーカー(MSW)
研修施設認定・認定資格
研修施設認定
日本リハビリテーション医学会研修施設
リハビリテーション科専門医になるための研修を行う施設として、公益社団法人日本リハビリテーション医学会より認定されています。超高齢化が進む日本の中で、病気やケガなどによる障害の機能回復や社会復帰をサポートするリハビリテーションは、とても重要な役割を担っています。その高い知識を持つ専門医として、リハビリテーション科専門医がいますが、社会のニーズに反して、必要数が不足しているのが現状です。当院で優秀な専門医を育成し、リハビリテーション医学の発展に貢献していきたいと考えています。
認定資格
専門理学療法士(運動器)1名
認定理学療法士(脳卒中)1名
認定理学療法士(呼吸) 1名
認定作業療法士 2名
セラピストマネージャー 3名
実習指導者資格 6名(PT2名 OT4名)
リハビリテーションを支える理学療法士や作業療法士。その中には、国家資格取得後も、高齢化などの社会的変化に対応し、患者さま個々のニーズにこたえられるよう、さらに専門的な領域を学び、「認定・専門理学療法士」や「認定・専門作業療法士」という上位資格を取得した人たちがいます。当院にもこれらの資格を取得したスタッフが働いています。
リハビリテーションプロセス
入院時期 (入院してから1週間程度)
・入院初日にリハビリテーションのオリエンテーションと体の状態を評価させて頂きます。
・2日目より、担当療法士による評価と訓練が始まります。(障害の改善だけでなく、日常生活動作の自立・拡大に向けての第一歩です)
必要に応じ、臨床心理士による精神サポートを行います。(障害の受容やご家族のメンタルサポートなど)
・自主トレーニング指導も随時行います。
中間時期 (1ヶ月~退院まで)
・障害の程度や日常生活動作の改善状況の評価と継続して訓練を行います。
・介護保険を利用される場合は、申請や認定の手続きを行います。
・必要に応じ、自宅環境の調査(家屋訪問)ならびに家屋改修の提案を行います。
・外泊に向けた外出訓練なども行います。
・介助が必要な場合はご家族に介助方法などの練習を行います。
退院時期(退院前)
・退院後の生活を想定した訓練を行います。
・必要に応じ、福祉用具の紹介を行います。
・継続したリハビリ支援の手続きを行います。(通院による外来リハビリ・訪問リハビリ・通所リハビリ・リハビリデイサービスなど)
※毎月1回チームカンファレンスを行い、訓練の進行状況などを確認しています。カンファレンスの結果や目標などは、定期的に患者様、
ご家族様へ説明させて頂いています。(リハビリテーション総合実施計画書・目標設定等支援・管理シート)
疾患別リハビリテーション
脳卒中のリハビリ
脳卒中には、手足が動きにくくなる「麻痺(まひ)」と呼ばれる症状や、言葉をうまく聞いたり話せなくなる「失語症(しつごしょう)・構音(こうおん)障害」、記憶力の低下や、注意がそれやすくなった、段取り良くできなくなる(遂行機能)などの「高次脳機能(こ
うじのうきのう)障害」と呼ばれる症状が出現します。これらの症状は脳卒中により脳の神経がダメージをどのくらい受けたかにより異
なります。その人の障害に合わせて、日常機能の改善やご自宅へ帰ることを目指します。
大腿骨頸部骨折のリハビリ
大腿骨頸部骨折は、高齢者に多くみられ、「寝たきり」や移動能力の低下を引き起こす可能性があります。加えて、早期に離床をすすめ、肺炎、褥瘡(床ずれ)、内蔵機能の低下や精神機能の低下を予防しなければなりません。リハビリでは、早期から集中的に訓練を行い、
関節可動域の訓練、筋力増強訓練などを行い、移動手段の獲得を目指します。
廃用のリハビリ
廃用(はいよう)症候群は、手術後の臥床や肺炎などにより、全身の機能が低下した状態になります。リハビリでは、患者様の状態に合わせ訓練量を調整し、全身の機能の向上を目指します。
心臓リハビリ
心臓リハビリテーションは、虚血性心疾患や慢性心不全などの心臓の病気をお持ちで、運動することに不安のある方・どの程度運動を行っていいのかわからない方・仕事復帰や趣味活動を再開したい方・体力に自信のない方・一人では生活習慣の改善に自信のない方に
お勧めです。訓練の効果として、心肺機能の改善により体力が付き、再発のリスクを減らすことが出来ると言われています。
歩行訓練
骨折や人工関節手術後は、徐々に体重をかけながら歩く練習をする必要があります。急激に関節に負担がかからないように手すりや杖を使用した歩行訓練を行います。リハビリでは、これらの症状(障害)に対する訓練と、残されている能力を最大限に引き出し、1人1
人の人生に合った生活機能を獲得し、より良い生活を送るよう支援します。
訓練について
医学的リハビリテーション(関節可動域訓練・筋力増強訓練・麻痺促通訓練など)
病気により、関節が硬くなった、麻痺が出現したなど、個々の身体機能や心理的能力に対し、機能を伸ばすことを目的に行います。
食事、更衣、トイレ動作や歩行訓練などの日常生活動作の訓練も行います 必要に応じて、装具や杖、車椅子などの適応を検討して行き
ます。
家庭・社会復帰を目的としたリハビリテーション
屋外環境や家庭での家事動作訓練(調理、洗濯など)も個々に取り入れて行います。 必要な患者様には、ご自宅へ訪問し快適な生活が
送れるよう住宅環境のご提案もさせて頂きます。患者様の様態によっては、社会復帰(仕事や学業など)に向けての訓練や援助も行っ
ています。
家屋評価
・訪問家屋評価の実施について
家屋状況の確認、住宅改修・福祉用具の使用の検討、動作のシュミレーション目的
・訪問家屋評価実施時期について
移動が屋内監視歩行レベル、屋外が一部介助歩行レベルになったら、退院時の移動能力に目処がついたら
・訪問家屋評価メンバー
患者、家族、MSW、PT、OT、必要に応じて(住宅改修・福祉用具業者)
・訪問家屋評価で行なうこと
動作の確認
・手すり設置位置の確認
家族への介助指導
・事前に確認する事項
玄関、浴室の情報
・外泊訓練
家屋評価終了後、外泊訓練実施
外泊時チェックシート発生
家屋改修
家族教室
家族教室のしおりのPDFデータをダウンロードすることができます。
←クリックするとPDFファイル(1.0MB)が開きます。
外来リハビリテーションのご案内
外来リハビリテーション(以下:外来リハビリ)とは
在宅生活を送りながら、通院可能な方を対象に(医療保険で)行うリハビリテーションです。
日常生活で不自由を感じる方に対し、症状の改善、自宅での運動の指導、生活指導などを行っています。
<対象疾患>
脳血管疾患
脳梗塞、脳出血、脊髄損傷、パーキンソン病など
運動器疾患
変形性膝関節症、変形性股関節症、脊柱管狭窄症、肩関節周囲炎など
<実施曜日・時間>
午前:月~土(日・祝除く)
9時~12時20分(最終予約は11時40分)
午後:月~金(日・祝・土除く)
13時30分~16時10分(最終予約は15時30分)
※水曜日、金曜日は第1・3・5週のみ、金曜日は13時30分のみ
※事前予約制です
曜日 | 時間 | |
午前 | 月曜日~土曜日(日・祝除く) | 9時~12時20分 最終予約時間11時40分 |
午後 | 月曜日~土曜日(日・祝除く) | 13時30分~16時10分 最終予約時間15時30分 |
※水曜日、金曜日は第1・3・5週のみ、金曜日は13時30分のみ
<場所> 図参照
1F 通所リハビリ室内(PT・OT)
STは内科第一診察室
<リハビリ実施時間>
1回20-40分(先生からの指示によっては60分のこともあり)
<実施内容>
理学療法(午前・午後)
作業療法(午前・午後)
言語療法(午前中のみ)
<外来リハビリのスタッフ>
理学療法士(PT) 2名
作業療法士(OT) 1名
言語聴覚士(ST) 1名
<当院でのリハビリを希望される方>
- 外来受診の方
整形外科、リハビリテーション科を受診
医師の診察にてリハビリの必要性を検討します
※他院からの紹介状を持参いただけると、お体の状態が分かり、スムーズです。 - 入院中の方
入院中に患者様から外来リハビリの希望があった場合、もしくは入院担当スタッフが、外来リハビリが必要と判断した場合、主治医へ外来リハビリの相談をします。主治医・リハビリ科医師が外来リハビリの必要性を検討します。
<リハビリが始まるまでの流れ>
※医師の診察を受け、医師がリハビリが必要と判断した場合に、外来リハビリを受けることができます
痛みがある(肩・膝・腰など)
身体が動かしにくく生活に困る などの症状がある
当院外来受診、医師の診察を受ける
医師がリハビリの必要性を判断
必要であれば、リハビリの指示が出る(リハビリの種類、頻度など)
リハビリの予約をとる
外来スタッフ(療法士) が伺います ※総合受付ではありません
外来リハビリの流れを説明
会計
帰宅
<病院に来て訓練を行う流れ>
病院来院
受付
リハビリ前診察(リハビリ面談)
リハビリ
次回の予約をとる
会計
帰宅
<リハビリを開始~終了までの流れ>
- リハビリ開始(初日)
初期評価
現在の困っていること、生活の様子を伺います
お体の状態を診させて頂きます(痛みの様子、筋力、関節の動きなど)
患者様と相談して、外来リハビリでの目標を決めます - リハビリ訓練(2回目~)
初日に伺った情報、検査した内容をもとに、療法士はリハビリの内容、自宅での運動などを考えます。
筋力をつける練習、立つ・歩く練習、身体をほぐすなどをリハビリの時間に行います。また、自宅での運動などを指導させて頂きます。 - 再評価
定期的に(1-数ヶ月ごと)に生活の様子の確認、自主トレ状況の確認、お体の状態の確認を行います。
医師にも外来リハビリの様子を伝え、外来リハビリを継続していくか診察を受け、指示をもらいます。 - 外来リハビリ終了
痛みの改善、生活の改善など状態の改善や安定がみられたら、医師の診察を受け、外来リハビリは終了となります。
<料金について>
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)
2,450円(1単位:20分)
→自己負担 3割の場合 735円
運動器リハビリテーション量(Ⅰ)
1,850円(1単位:20分)
→自己負担 555円
※リハビリテーションを1単位:20分行った場合の料金です
※患者様の入られている保険などにより、支払い金額は異なります
<外来リハビリの制度>
- リハビリテーションの期限について
リハビリテーションを行える期限が決められています。
診断名や経過によって、外来リハビリを行うことができなかったり、リハビリの回数が制限される場合があります。
◎脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・脳腫瘍・脊髄損傷など)
:発症、手術または急性増悪から180日以内
◎骨・関節疾患(変形性膝関節症、脊柱管狭窄症など)
:発症、手術または急性増悪から150日以内
※この日を超えてリハビリテーションを続けるには、「医師がリハビリを行うことが必要である」と判断した場合になります。。 - 定期的な見直しについて
定期的に医師の診察を受けて頂き、現在行っているリハビリの回数や時間が適切かの検討をします。
状態の改善により、リハビリの実施頻度が減ることがあります。 - 書類について
○リハビリテーション総合実施計画書
法律では、医師と療法士などが相談をして、検査結果などからリハビリの目標などを決め書面にし、患者様に説明をすることが決められています。
検査結果、日常生活の様子、目標などをまとめた用紙を説明し、お渡しします。用紙をお渡しした日の会計には、書類代が追加となります。
○目標設定等支援シート
介護保険を所有している方に対して、定期的に医師の診察を受け、一人ひとりに合った目標を決めて進めていきます。
リハビリの内容や目標を書面にまとめます。
その内容を医師が、患者または家族に対して説明します。
目標設定支援シートは3ヶ月ごとに作成します。
用紙をお渡しした日の会計には、書類代が追加となります。
<介護保険の所有に関して>
外来リハビリは医療保険でのリハビリになります。
医療保険と介護保険でのリハビリは、原則併用できません。介護保険の利用が優先となります。
通所リハビリ(デイケア)・訪問リハビリを利用されている方は、外来リハビリは実施できません。
介護保険を持っている方は、診断された日から180日(または150日)を超えて外来リハビリを実施することができません。
※日にちは診断された病名により異なります
<お知らせ>
- 原則担当を決めてリハビリを行っていきますが、療法士は休みが不定期となっています。そのため、担当する療法士が代わることがあります。
- リハビリを行う場所・療法士が限られています。そのため他患者の予約状況により、ご希望の曜日・時間帯に予約をとれない場合があります。また、予約が埋まっている場合は、リハビリを行う間隔が空いたり、担当者が代わることがあります。
- 担当者が急遽休みを頂く場合があります。その際はその日のリハビリは、お休みの連絡をさせて頂く場合がありますのでご了承ください。
◎リハビリテーションを集中的に行える期間が決まっているため、期間内に最良のリハビリが提供できるように、スタッフ一同進めていきます
外来リハビリテーションを受ける皆様へ~感染対策~
コロナウイルス感染防止のため、感染対策を行い、外来リハビリを実施しています。
来院時には必ずマスクの着用、手指消毒をお願いします。
発熱がある場合・マスクを着用していない場合は、リハビリを実施できないため、ご帰宅頂きます。
ご理解・ご協力の程宜しくお願い致します。
<外来リハビリにおける感染対策>
- マスクの着用
マスクを着用していない方は、リハビリを行うことが出来ません。 - 手指消毒
病院玄関、外来リハ入口に消毒を設置
外来リハスペースに入る際に、手指の消毒をお願いしています - 使用する備品の消毒
患者様が使用するごとに、ベッドや備品を消毒しています
午前・午後のリハビリ終了時には、外来リハビリスペースの備品を掃除、消毒しています - 換気
定期的な換気を実施(夏場など気候によっては常時窓を開けています)
クリーンパーテーションの設置(換気・空気清浄機能付きのフィルター) - 実施するスタッフの固定
外来リハビリを行うスタッフが決まっています。
当院では入院リハビリなどがありますが、入院リハビリを行っているスタッフが行うことはありません。
◯出入口の固定
通所リハビリ内で外来リハビリを実施していますが、外来リハビリの方の出入り口、通所リハビリの方の出入り口を分けています